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紀文のはんぺん

IMG_9280_20220304003126098.jpeg 15歳の時に家出しました。弁護士の娘の友人が葉山マリーナに別荘を持っていて、夏休みに泊まりにおいでと言われたのですが、父が大反対。今まで一度も他人の家に泊まったことがありませんでした。

 強行突破と思い、泊まることを許してもらうまで、カナダにホームステイをした時に引率してくれた、人のいいお兄さんの家にかくまってもらおうと思い、その人の住む高崎まで行きました。試験休みを利用して。

 夜に高崎に着いたのですが、運悪く、留守。後で知ったところでは、横浜に住むお父さんの家に泊まりに行っていたとか。それを知らない私は、アパートの部屋の前で、ずっと待ちぼうけ。

 短パンをはいて、足を出していたのですが、隣の部屋のいかにも軽そうなあんちゃんに部屋に連れ込まれそうになり、夜中に高崎駅まで歩いて、トラックの駐車場の自動販売機の後ろに隠れて、電車が動く朝を待とうと思いました。

 いきなりヘッドライトが付いて、辺りが明るくなったのですが、トラックからおじさんが降りてきて、「こんなところで何してるの?」と心配されました。

「兄のアパートに行ったんですが、留守だったんです」と大ウソをついたのですが、「トラックに乗んな。兄さんのアパートに連れてってやるから。もう帰ってるかもしれないし」。

 躊躇(ちゅうちょ)している私に、紀文のマークが付いている車体を叩いて、「こっちは看板を背負ってるんだから、大丈夫だ。早く乗んな」と頼もしいこと言うじゃありませんか。

 遠慮なく、助手席に乗り、アパートにもう一度行ったのですが、当然留守。「困ったなぁ。配達があるから、トラックに乗ったままでいな。終わったら、高崎駅まで送ってやるから」。

 明け方にはんぺんやら何やらの入ったケースをお店に届けるお手伝いをして、終わったら、一路、高崎駅へ。「うちにもさ、年頃の娘がいるんだけど、東京に行きたいっていうんだよな。危ないんじゃないかと思って」。

 娘さんの相談を聞きながら、おじさんは家出だって気付いてるんじゃないかと思いました。お礼を言って、トラックから降り、電車に乗って、家に帰ってきたのですが、家では大騒ぎ。

 母屋(おもや)にいる厳格な父方の祖父母には、家出のことは内緒にして、代わりに母方の祖父母が来ていました。

「心配したのよ。無事でよかった」とみなに言われたんですが、一言も言わずにブスッとしている父に「泊まりに行くからね」と言い放ち、「許してくれなきゃ、また家出するから」と追い打ちをかけました。

 いざ、夏休みになり、葉山マリーナで楽しいひとときを過ごしたのですが、その頃からでしょうか、厳しかった父が私に遠慮するようになったのは。

 父を早くに亡くしたのですが、いま思えば、少しかわいそうなことをしたかなと思います。少なくとも孝行娘ではありませんでした。

 亡くなった妹は、父をかばい、「いい子」にしていました。父も妹には甘くなっていきました。

 紀文のはんぺんをスーパーで見かけると思い出す、家出のこと。バターでソテーして、今晩のおかずにします(笑)。
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コメント

親の立場で、、

こんにちは。先日はコメントいただいてありがとうございました。
「母からの逃避行」の記事からからここまでの一連の記事を読ませていただいて、私もコメントさせていただこうかと思っていたところでしたのでタイミング良かったです。

そっと見守ることが出来なかったお母さん。
友達の家に行って遊ぶのを許してくれなかったお父さん。
親の立場になってみると、お父さん、お母さんの気持ちが良く分かります。
その表現の仕方や程度の差はあるとしても、間違いなく親の愛ですね。

ある時期からその愛が鬱陶しくなって反抗期に入る。反抗期は、子供が自立するための大事な成長過程と聞いたことがあります。
それは分かっていても、他人の子供のことは客観的に見れても、なぜか自分の子供になると感情的になってしまう。
大人になるために親離れしていく子供と、なかなか子離れできない親。葛藤や軋轢が生じるのは仕方ないです。

1人目の子供に厳しくしてしまう。これも子育てアリアリですね。私も長男なのでカエルのロビンさんの気持ちもわかるし、親の気持ちも分かります。
初めての子育ては初心者ですので気持ちが入り過ぎますが、2人目以後は経験しているので余裕が生まれる、からなんでしょう。

何処に行くにも一緒に付いて来ていた娘が、いつの間にか話もしてくれなくなる。いつまでもハグしたいのに近寄ることさえし難くなる。どこで接し方を間違えたのかな、と悩みます。不器用な父親は淋しいです。

>父を早くに亡くしたのですが、いま思えば、少しかわいそうなことをしたかなと思います。少なくとも孝行娘ではありませんでした。

なんか、少しほっとしました。お父さんも分かっていただけると思います。
お母さんを大切にされているのが分かりますので、お父さんも喜んでいらっしゃるでしょう。

長くなりました。勝手に私の受けた印象で書いたので的外れなコメントで失礼だったかもしれません。そのときはごめんなさい。流してください。

Re: 親の立場で、、

tomabiさま、こんにちは。カエルのロビンです。長文のコメントをありがとうございます。

親の立場で見ると、母や父のことがわかりますか。親の愛だったんですね。

父も妹も亡くなっているので、これからも母を大事にしていこうと思います。

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プロフィール

カエルのロビン

Author:カエルのロビン
フリーランスの記者&編集者。星野源と加瀬亮が好きといえばオシャレだと思っている。何歳からアラフィフか母親と協議中。数年分の旅行記と食べ歩き日記を順次アップしていきますので、よろしくお願いいたします。
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