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過ちはなかったでしょうね?

IMG_7712_202012100223365bf.jpeg 母の誕生日を六本木で祝ったことがある。

 食事の後、アマンドに行き、お茶をしていた。何の話からそうなったかは忘れたが、父と叔母の顔が祖父にまったく似ていないという話になった。

 父と叔母はニキビ肌で、祖父はつるっとした顔をしていた。父と叔母が鼻が大きいところも、似ていなかった。父がキレやすいところは、祖父に似ていたが、それは育てられたために似たのかも知れないとも思った。

 祖父が戦争に行っている間、祖母は別の男性と暮らしていた。いつ帰るとも知れない祖父を待ちきれなかったのだろう。戦争から帰って来て、どんな修羅場になったかは、もう知るよしもない。

「お父さんとおばさん、もしかして、その男性の子なんじゃない?」とあたしが言った。「ありえる、ありえる(笑)」と妹。「自分の子じゃなかったら、おじいちゃんは育てなかったでしょうよ」と母は正論を言った。

 戦争後遺症の祖父は、いやらしいところがあった。母屋にしか風呂がなかった我が家は、風呂を借りに母屋に行かなければならなかった。

 母が風呂に入る時間になると、祖父はカーテン越しに覗いていた。母は、当然、ひどく嫌がった。

 妹は生まれた時から、顔が祖父にそっくりだった。あたしは、妹が生まれたと聞いて、病院に駆けつけた時、幼心に「おじいちゃんに似てる!」とびっくりした。

 その話をすると、妹は「過ちはなかったでしょうね?」と冗談で母に詰め寄った。「あるわけないじゃない。何、馬鹿なことを言ってるのよ」。母はプンプンだった。

 それにしても、不可解。親子であんなに顔が似てないだなんて。祖母は墓場まで秘密を持って行ったのだろうか。ときどき、思い出しては、口数の少なかった祖母のことを考える。
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カエルのロビン

Author:カエルのロビン
フリーランスの記者&編集者。星野源と加瀬亮が好きといえばオシャレだと思っている。何歳からアラフィフか母親と協議中。数年分の旅行記と食べ歩き日記を順次アップしていきますので、よろしくお願いいたします。
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