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黄色い救急車。

「また、聞き分けのないことを言ってると、黄色い救急車呼ぶぞ! 一度、精神病院にでも入ってみろ、おまえの一生なんて、あっという間にメチャクチャにできるんだぞ!」

 父は、小学生だったあたしを叱るとき、よくこう言って怒鳴った。引きつった顔は、あたしのすべてを否定しているように思えた。

 万事につけ劣等生だったあたしに比べ、妹はそんな姉のテツを踏まないとばかりに「いい子」に育っていった。学校の成績もよかった。そして、何より父になついていた。

 母は、いつだったかこう言ったことがある。「お父さんもねぇ、おじいさんにキツイことを言われて育ったのよ」。

 だから勘弁してやってくれと言外に言っているようだった。けれど、あたしは父を死んでもなお許してはいないのかもしれない。

 30歳の時に過労とうつ病で入院したときに、夢に父が出てきた。「おまえみたいなクズはな、池袋あたりでマタを広げる仕事ぐらいしか、できないんだ」と言って、あざ笑っていた。

 たしかに思春期の頃にそう言って見下されたことがあった。あの時は刺し殺そうかと思った。

 そんな悪しき記憶を、夢の中で思い出していた。その夢は、父が一度入ればフダつきとなって、人生がメチャクチャになると言った精神病院のベッドのうえで見ていた。

 30歳で過労とうつ病で倒れた時、大学病院に入院するか、自宅の近所の精神病院に入るか、かかりつけの心療内科の医師に聞かれた。

 記者&編集者のあたしは、これからの肥やしになると思って、興味本位で「精神病院に入ります」と言った。

 どう、お父さん、満足?
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カエルのロビン

Author:カエルのロビン
フリーランスの記者&編集者。星野源と加瀬亮が好きといえばオシャレだと思っている。何歳からアラフィフか母親と協議中。数年分の旅行記と食べ歩き日記を順次アップしていきますので、よろしくお願いいたします。
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